Ruby 3.2 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > 組み込みライブラリ > ObjectSpaceモジュール > define_finalizer

module function ObjectSpace.#define_finalizer

define_finalizer(obj, proc) -> Array[permalink][rdoc]
define_finalizer(obj) {|id| ...} -> Array

obj が解放されるときに実行されるファイナライザ proc を登録します。同じオブジェクトについて複数回呼ばれたときは置き換えではなく追加登録されます。固定値 0 と proc を配列にして返します。

ブロックを指定した場合は、そのブロックがファイナライザになります。 obj の回収時にブロックは obj の ID (BasicObject#__id__)を引数として実行されます。しかし、後述の問題があるのでブロックでファイナライザを登録するのは難しいでしょう。

[PARAM] obj:
ファイナライザを登録したいオブジェクトを指定します。
[PARAM] proc:
ファイナライザとして Proc オブジェクトを指定します。proc は obj の回収時に obj の ID を引数として実行されます。

使い方の注意

以下は、define_finalizer の使い方の悪い例です。

悪い例

class Foo
  def initialize
    ObjectSpace.define_finalizer(self) {
      puts "foo"
    }
  end
end
Foo.new
GC.start

これは、渡された proc の self が obj を参照しつづけるため。そのオブジェクトが GC の対象になりません。

tempfile は、ファイナライザの使い方の良い例になっています。これは、クラスのコンテキストで Proc を生成することで上記の問題を回避しています。



class Bar
  def Bar.callback
    proc {
      puts "bar"
    }
  end
  def initialize
    ObjectSpace.define_finalizer(self, Bar.callback)
  end
end
Bar.new
GC.start

proc の呼び出しで発生した大域脱出(exitや例外)は無視されます。これは、スクリプトのメイン処理が GC の発生によって非同期に中断されるのを防ぐためです。不安なうちは -d オプションで事前に例外の発生の有無を確認しておいた方が良いでしょう。



class Baz
  def initialize
    ObjectSpace.define_finalizer self, eval(%q{
      proc {
        raise "baz" rescue puts $!
        raise "baz2"
        puts "baz3"
      }
    }, TOPLEVEL_BINDING)
  end
end
Baz.new
GC.start

# => baz

[SEE_ALSO] Rubyの起動